Japan

News From Aon 
 

2022年2月18日
 

グローバルリスクマネジメントサーベイ2021調査結果を発表​

日本では「市場要因による変化の加速」
グローバルでは「サイバー攻撃 / 情報漏洩」が最大の懸念事項に



幅広く専門的なソリューションを提供するリーディングカンパニー Aon plc(NYSE:AON、以下エーオン)は、2021年グローバルリスクマネジメントサーベイの調査結果を発表しました。本調査は、組織が直面する主要なリスクと課題の特定のため、2年ごとに60の国 / 地域および16の業界から情報を収集しているもので、業界および地域別のトップ10リスク、関連する損失、それぞれのリスクへの対策に焦点をあてています。この2年間は非常に不安定な状態であり、世界的なCOVID-19のパンデミックは、評判やサイバーに対する意識の高まりなど他の種類のリスクにも波及し、ロングテールのリスク管理がますます重要になっていることが明らかとなりました。また、グローバル調査と日本の調査結果の比較からは、それぞれが懸念する要因と認識するリスクの違いも明らかとなりました。
 

■ グローバル全体調査より
2021年版では公的・民間の両組織において、16の業界、60の国と地域より、2,300名以上の回答を得ました。テクノロジーへの依存が進む現代において調査開始以来初めて、現在および予測される今後のリスクトップ1として「サイバーリスク」がランクインしました。サイバーリスクは各地域、業界、個別回答においてもトップ10リスクにランクインしています。また「事業中断」は2番目のリスクとしてランク付けされており特にアジア太平洋とヨーロッパでは最大のリスクとして位置づけられました。

■ 日本企業の調査より
日本企業の回答では「市場要因による変化の加速」がトップ10リスクの1位となりました。米中の貿易摩擦やブレグジット後の影響、原油価格等の商品市場の暴落・高騰や半導体不足、DXの推進やAI等を活用した技術革新とそれに付随するデジタル規制等の、政治的・経済的・技術的な要素を組み合わせた変化による影響を最大のリスクと捉えている企業が多いことが伺えます。また、新型コロナウイルスの感染拡大による景気低迷とそれを受けた各国での政治的・経済的な対応も自社事業に大きな影響を与える予測不能なリスクとして考えている企業が多いことも一因であることが推察されます。リスクの2位となった「事業中断」についても、これを引き起こすシナリオとして新型コロナウイルスの感染拡大が考えられる一方、グローバルの回答のトップ10には入っていない「気象・自然災害」(3位)や、「気候変動」(9位)が日本では上位にランクインしていることを考えると、これらがもたらす地震や台風、豪雨・洪水等による「事業中断」を上位のリスクと捉えた、自然災害が多い日本を反映する結果であると考えられます。

■2021年の本調査によるトップ10リスクは以下の通りです。
トップ10リスクは現在の状況、特にパンデミックとその組織への影響も強く反映したものとなっています。

グローバル 日本
1. サイバー攻撃 / 情報漏洩 1. 市場要因による変化の加速
2. 事業中断 2. 事業中断
3. 景気後退 / 回復遅延 3. 気象 / 自然災害
4. 物価変動 / 原材料・資源の不足 4. 物価変動 / 原材料・資源の不足
5. 風評被害 / ブランドの毀損 5. サイバー攻撃 / 情報漏洩
6. 法規制の変更 6. 企業の社会的責任・環境社会ガバナンス
7. パンデミックリスク / 健康危機 7. 製造物責任 / リコール
8. サプライチェーンや流通の途絶                  8. 景気後退 / 回復遅延
9. 競争の激化 9. 気候変動
10. イノベーション/ 顧客ニーズへの対応の失敗 10. サプライチェーンや流通の途絶

 
 
エーオンのCommercial Risk SolutionsのCEOであるLambros Lambrouは「不安定な状況が続く現代において、より適切な意思決定はかつてないほど重要になっています。ロングテールのリスクは単事象ではありません。COVID-19のパンデミックによって、世界の働き方が根本的に変化し、新しいリスクが明らかになり、経営陣が優先順位の変更に対応してきたように、それらのリスクは本質的に相互に関連しています。目先のリスクばかりに気を取られていると、企業は明日のリスクに投資する能力を失いかねません。」と調査結果全体についてコメントしています。
エーオンジャパンの執行役員 神立信一は日本の調査結果について次のように述べています。「日本の調査結果において興味深いのは『サイバー攻撃 / 情報漏洩』が5位にランクされたということです。『サイバー攻撃 / 情報漏洩』はグローバルでは1位、アジア太平洋地域でも2位にランクされているにもかかわらず、日本でのランクが比較的低いのは、自然災害やそれらによる事業中断と比較して大規模な損害となることを想定していない企業が多いことが原因と思われますが、『サイバー攻撃 / 情報漏洩』に対して何かしらのリスク軽減策を講じていると回答した企業が73%と、グローバルの数値(87%)と比較して低いことは懸念材料であると考えます。2020年以降、ハッカーや犯罪者は新型コロナウイルスの流行を利用し、世界各国のあらゆるビジネス分野への攻撃をエスカレートさせてきており、日本企業においてもリスク軽減策の実行が急務となるでしょう。」

 地域および業界別の主要な調査結果のハイライトは次のとおりです。
  • パンデミックリスク / 健康危機のリスクは、2019年の調査の60位から7位に跳ね上がり、北米を除くすべての地域でトップ10にリストされました。
  • 事業中断は世界で2番目に高い脅威としてランク付けされており、一部の地域(アジア太平洋およびヨーロッパ)の回答者はそれを最大のリスクとしてランク付けしています。
  • 物価変動 / 原材料・資源の不足は、世界的に予測される将来のトップリスクです。
  • 各地域の上位10のリスクに一貫してランク付けされている4つのリスク:サイバー攻撃 / 情報漏洩、事業中断、景気後退 / 回復遅延、法規制の変更。
  • サプライチェーンや流通の途絶は再びトップ10に入り、ヨーロッパと北米で最高位にランク付けされました。これは主に、パンデミックと地政学的な影響との関連によるものです。グローバルのトップリスクではありませんが、アジア太平洋地域と北米では、労働力の不足と定着の問題が上位にランクされています。
  • 業種別の結果では、エネルギー・公益事業・天然資源、 ホスピタリティ・トラベル・レジャー、ライフサイエンス業界の回答者は、事業中断を最大のリスクとしてランク付けしました。
  • 物価変動 / 原材料・資源の不足は、農業・食品・飲料製造、資本財・製造業の回答者によって最大のリスクとしてランク付けされました。2024年までにグローバルとヨーロッパの両方でトップ5に上がると予測されています。

 
 



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